2022年度 業態別チラシ発行状況調査

2023/2/15

株式会社チラシレポート(本社:東京都中央区 代表取締役社長:澤田 英)は、弊社が回収したチラシ収集実績を基に、 2022年度(2022/01/01~2022/12/31)の業態別(食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、酒ディスカウント)チラシ発行状況を発表致します。

2022年度業態別チラシ発行状況

 

【チラシ発行のべ店舗数】

業態 年度 1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 年間
食品スーパー 2022年 299,179 295,057 304,140 316,564 1,214,940
2021年 291,508 277,795 302,507 319,639 1,191,449
2019年 345,518 346,775 360,754 370,542 1,423,589
前年比 102.6% 106.2% 100.5% 99.0% 102.0%
2019年比 86.6% 85.1% 84.3% 85.4% 85.3%
ドラッグストア 2022年 76,013 81,186 88,697 94,269 340,165
2021年 65,629 76,253 81,226 90,305 313,413
2019年 77,096 76,958 86,467 84,993 325,514
前年比 115.8% 106.5% 109.2% 104.4% 108.5%
2019年比 98.6% 105.5% 102.6% 110.9% 104.5%
ホームセンター 2022年 36,079 43,698 36,469 48,989 165,235
2021年 39,935 48,092 42,161 50,381 180,569
2019年 61,857 70,626 58,181 64,940 255,604
前年比 90.3% 90.9% 86.5% 97.2% 91.5%
2019年比 58.3% 61.9% 62.7% 75.4% 64.6%
酒ディスカウント 2022年 3,793 4,252 4,959 4,721 17,725
2021年 4,328 4,441 4,970 5,212 18,951
2019年 4,714 5,200 5,952 6,122 21,988
前年比 87.6% 95.7% 99.8% 90.6% 93.5%
2019年比 80.5% 81.8% 83.3% 77.1% 80.6%

 

【発行状況】

チラシ発行のべ店舗数の2021年との比較は「SM:102.0%、Dgs:108.5%、HC:91.5%、酒DS:93.5%」でした。コロナウイルス感染拡大前となる2019年比では「SM:85.3%、Dgs:104.5%、HC:64.6%、酒DS:80.6%」でした。2021年末からオミクロン株の市中感染が続いていますが、その状況下でもSMとDgsでは安定的にチラシは発行されていました。2022年の3月にまん延防止等重点措置が全面解除され、それ以降は何れかの行動制限が実施されることはありませんでした。昨年もチラシ販促自粛の動きは見られませんでしたが、本年もそれは変わらず、集客抑止や分散の動きは凡そ皆無となりました。様々な販促手法が生み出されている昨今ですが、チラシ販促は集客手段の1つとして、まだまだ活用されていると言えるようです。

【業態別傾向・注目ポイント】

①食品スーパー
前年比では102.0%、コロナ前である2019年比で85.3%のチラシ発行のべ店舗数と、安定的と言えるチラシ発行がされました。上位20企業のうち15企業が前年を上回るチラシ発行のべ店舗数、更に6企業では2019年を上回るチラシを発行しておりました。「節分」や「歳末」等の最注力イベントの該当週では、2019年を上回るチラシ発行を記録しており、集客強化の様子が窺えました。

■外出系イベントの掲載増加、家飲み・居酒屋など巣篭もり提案の掲載減少
いよいよ行動制限が無い生活に戻り、“外出”“団らん”など人の集まりに寛容になり、チラシ紙面にも大きな変化を与えておりました。 コロナ以降では提案を控えられていた「パーティ」「アウトドア」「行楽」「夏休み」「おもてなし」などは前年を大きく上回る掲載数でした。 一方で、昨年人気の「家飲み・居酒屋」に代表される「+おうち」や「+気分」などの巣篭もり提案は大きく掲載を減らしておりました。

■値上げ対抗企画やPB商品
飲食料品だけでなく日用品や各種サービスなど様々な物の値上げが相次ぎ、今後の再値上げ予定が連日報道されている状況です。 チラシでは「生活応援」等の価格訴求タイトルが掲載を増やし、『物価高に挑戦』等の直接値上げに言及したものも多く見られました。 低単価であるPB商品を大型掲載するチェーンも度々見られ、クリスマス等の所謂ハレの日にもPB掲載をするチェーンも散見されました。

②ドラッグストア
経産省の商業動態統計では売上は前年比5.5%増、店舗数は4.7%増と本年も右肩上がりの成長が続いたとの発表されていました。チラシ発行のべ店舗数は、前年比で108.5%、コロナ前の2019年比で104.5%と、今もまだコロナ禍である事を感じさせませんでした。 上位チェーンの凡そ半数が2019年を上回るチラシの発行をしており、Dgs業態の勢いと熾烈な競争が続いている現状が感じられました。

■生鮮食品や惣菜のチラシ掲載
ドラッグストアでの食品取り扱いは今や当たり前になりましたが、生鮮三品や惣菜の取り扱いに対する違和感も薄れつつあるように感じます。 それらのチラシ掲載も度々見られ、郊外が多いと言われるフード&ドラッグですが、首都圏エリアの店舗での掲載も確認する事が出来ました。 チェーンの方針や立地で取り扱いに違いはありますが、価格の維持が難しくなる中、利便性の訴求の1つとしてまだまだ拡大が想定されます。

■PB商品のチラシ掲載
以前からプライベートブランドの強化や積極化を経営方針に挙げるDgs企業は多く、店の顔になる様な話題性のあるPB商品も増えました。 利幅の厚い薬品や化粧品だけでなく、日用品や食品のPB商品も拡充され、紙面に大型掲載するチェーンも度々見られるようになりました。 日替や週替の特売訴求がチラシ紙面の中心になりますが、上位20企業の7割がPB食品やPB日用品のチラシ掲載に取り組んでいました。

③ホームセンター
前年以上の発行に取り組むチェーンはあるものの、DCMグループやコメリなどの上位企業の発行減は全体に大きな影響を与えていました。前年比で91.5%、コロナ前の2019年比で64.6%のチラシ発行のべ店舗数で、2020年比でも97.7%と少ないチラシ数になりました。経済産業省の商業動向統計によると、2022年は10・12月を除く10ヶ月で前年同月を下回る売上であったことが発表されておりました。2021年も8ヶ月が前年同月を下回る売上であったように、コロナ特需が収束して以来、HC業態はやや厳しい商況が続いているようです。

■外出系企画の復活、新しい生活提案
行動制限が無くなり、巣篭もり需要の追い風は弱まり、「おうち」提案以上に「アウトドア」など外出前提の従来通りの掲載が目立つようになりました。その他では、光熱費高騰などの影響を紙面に反映させるチェーンは目立ち、「節約」や「節電」などをテーマとした新しい生活提案が度々見られるようになりました。

④酒ディスカウント
以前から企業や店舗の減少が続く酒DS業態ですが、チラシ発行実チェーン数は2019年の107から2022年は80まで減っておりました。4月は花見や新生活の提案、9月は次月の酒類メーカー各社の値上実施前のまとめ買い訴求で前年以上のチラシ発行をしていましたが、それ以外の月では前年以下のチラシ発行となっており、前年比で93.5%、2019年比では80.6%のチラシ発行のべ店舗数でした。

■脱安売り・専門性向上
依然として特売を掲げチラシを定期発行するチェーンは根強いものの、「宅配」「通販」「品揃え」等の付加価値訴求も多々見られました。 ケース買いなどのまとめ買い訴求が紙面の中心ですが、酒の種類に合わせた食品提案などの工夫がある紙面も目立ちました。 企業規模の問題や原材料高などの影響で価格維持や強い値引きが難しい中、脱安売りや専門性向上は一層重要になっているようです。

調査概要

  • 対象エリア:全国
  • 対象業態:食品スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、酒ディスカウント
  • 集計期間:2022年1月1日~2022年12月31日

 

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